
能面の世界
室町から現代へ。600年の伝統を探る
能面は単なる道具ではありません。面打ち師が一刀一刀に魂を込め、演者がそれを「生きた顔」にする—— 世界に類を見ない日本の仮面芸術です。ここでは代表的な能面を紹介します。
小面(こおもて)
若い女性を表す代表的な面。微笑みと憂いが同居する繊細な表情。
室町時代〜演目: 葵上、井筒、羽衣
般若(はんにゃ)
嫉妬に狂う女の鬼面。角と牙を持つが、よく見ると涙を流している。
室町時代〜演目: 葵上、道成寺、鉄輪
翁(おきな)
祝福の象徴。白く微笑む老人の面は、能の中で最も神聖とされる。
鎌倉時代〜演目: 翁(式三番)
中将(ちゅうじょう)
在原業平をモデルとした貴公子の面。優美さと哀愁を湛える。
室町時代〜演目: 井筒、杜若
痩男(やせおとこ)
成仏できない亡者の面。痩せこけた頬と虚ろな目が特徴。
室町時代〜演目: 善知鳥、通小町
大飛出(おおとびで)
神や鬼神の力を示す面。金色に輝く目と大きく開いた口。
室町時代〜演目: 殺生石、船弁慶